2023年は[国際雑穀年]
雑穀とは
2023年年は、国連により国際雑穀年に定められました。食用作物は、禾穀類(かこくるい・cereal crops)・豆類・芋類等に分類される。禾穀類は、イネ・コムギ・オオムギ・トウモロコシ・ソルガム・ヒエ・アワ・キビ・シコクビエなどのイネ科作物のうち穀実を食用とする目的で栽培される作物群になる。しかし、日本では古くから穀物の分類を、主穀(イネ・ムギ・トウモロコシ)、雑穀(ヒエ・アワ・キビ・シコクビエ等)、主穀(豆類)、擬国(ソバ・アマランサス・キノア)とし、海外との分類と異なっている。見本では縄文時代から食されていたが、弥生時代になると稲作が盛んになり雑穀は一部の地域でしか栽培されなくなる
雑穀の生産
世界の雑穀は、主にアジアやアフリカの乾燥地帯で栽培されており、アジアが50%、アフリカが45%で国別では、インドが41%、ニジェールが11%、中国が7%で、世界の全生産量は2.800万トン。国内栽培面積は、35万h(1900年)・12.5万ha(1950年)・293ha(2001年)(1600年・1950年・は農林水産省統計部調査、2001年は農産業振興奨励会より)。21世紀に入って雑穀は急速に日本の畑からすがたを消していき2019年には自給率が2.8%と、国内需要に供給が全く足りていない。なぜ今国連が世界に雑穀を推奨するのでしょうか。
雑穀の有用性
雑穀は、「栄養穀物」とも呼ばれ栄養価が高いことが知られている。「完全栄養食」としてのキヌは、NASA「アメリカ航空宇宙局)の宇宙食に選ばれています。また他の穀物と比較して降雨量が少ない土地や乾燥地などの作物栽培の条件が不利地における主要な植物資源となっています。その高い栄養価と環境への優れた適応能力を持つことから、気候変動による地球の乾燥化に対処するために、雑穀は世界の食料不足と飢餓の解消に大きな期待をされています。
今後の課題
一般社団法人日本雑穀協会が発表した消費者の実態調査がある。
〇雑穀の認知度はここ10年で大きな変化はない。
〇聞いたことがある程度+全く知らない人が30%を超える。
〇前世代を通じて、健康に良い、白米より栄養が豊富などの健康イメージが高い。
〇雑穀ご飯を中止した理由は、夫が嫌いだから、子供が嫌いだから、価格が高いからが雑穀から離れた理由トップ3。
〇店頭でのミックス雑穀は微減だが、通販や業務用を含めると微増している。
〇炊飯以外の食べ方が提案が進まず、市場拡大に至っていない。
〇既存ユーザも週2回未満の利用にとどまっている。
課題の解決
選別・調整過程が複雑で、個人が栽培しても最終調整品として商品にするには、設備が整っている場所に持ち込まなければならないが、日本国内には施設が少ない。手軽に完全な最終調整が可能でなければ個人として雑穀を栽培する意欲が湧かない。コメと違い栽培から商品化工程の研究が進んでいない。