ジビエを楽しむ

鹿アグーパスタ

鹿・イノシシの被害

2019年度の全国のニホンジカ生息数は189万頭、イノシシ80万頭(いずれも中央値)とされている。以前に比較して捕獲頭数は何十倍にもなっている。野生鳥獣による農作物への被害は全国で155億円(令和3年・ニホンジカ61億円、イノシシ39億円)を超える。長野県では農作物への被害額はイノシシで令和3年度で5千万円、ニホンジカによる林業での被害額は1億円弱(令和3年)で農業被害は昭和50年代から増え始め、平成15年度には3千万円を超えたが令和3年度の農林業を合わせた被害額は2億円を超え依然高い数字を示している。捕獲頭数が増加しているのに被害額が減少しない原因はなんなのだろうか。ハンターの数が減少しているのに捕獲頭数が増加しているのは一人のハンターの捕獲数が増えているということ。イノシシ・シカが捕獲されやすい場所に出没するようになったことが要因と考えられる。
昭和32年から始まった杉の拡大植林によって、森林が本来の持つ生態系ノバランスが崩壊し、豊かだった広葉樹林の森は減少し、暗い森が山を覆うようになってエサとなる下草が生えないために結果として比較的エサの得やすい人里に危険を冒してまで出没するようになる。集落の人口減少によって、人間と獣との境界線の整備がおろそかになったことも原因である。平成27年4月までの狩猟法の目的は、鳥獣の保護及び適正化が目的で、どちらかというと弱い立場の鳥獣を人間から守る法であったものから、今は数を減らす意味の適正化に大きく意味が変わっている。問題解決には時間を必要とするが、まず人間が始めなければならないことは、鳥獣にとって住みやすい森をもう一度復活させることです。

捕獲後の利用

環境省と農林水産省は2013年にニホンジカとイノシシの生息頭数を2023年までに半減させる「半減目標」を策定しました。長野県には現在は約22万頭程(中央値・令和1年)生息しています。長野県が1年間に捕獲しているニホンジカの数は26.827頭(令和1年)ですが、長野県が目標としている年間目標捕獲数40.000頭の67.1%です。捕獲されたニホンジカのうち食肉として利用されているのは7.6%にすぎません(令和4年)、92%はそのまま自然界に放置されています。捕獲数の20%が食肉として利用されれば、肉の販売網の適正化や捕獲活動も有効的になり、事業としての軌道に乗せることが可能といわれています。しかし、もともとジビエのための食肉処理施設が整備される以前はジビエが流通しておらず、知り合いからたまたま譲ってもらう程度でした。猟師が行ってよいのは捕獲と放血(血抜き)までで、毛皮を剥いだり内臓を取り出すのは食肉処理法違反となります。現在長野県内に食肉処理施設は31箇所あり、令和2年には6.533頭を処理しています。ジビエを直接購入できる店舗や、ジビエレストランと言われる店も増えています。他の食肉の頻度のようには食卓に並びませんが、ジビエの認知度とジビエを扱う飲食店が今後増えれば鳥獣被害を抑制する大きな対策にもなります。(数値資料:長野県ホームページより)

ジビエ料理

長野県大町市中山高原のジビエレストラン「ラビット」は、ジビエマイスターの資格を持つオーナーシェフが地元で捕獲解体処理した鹿肉を使った料理を提供しています。鹿肉料理のメニューも豊富になり、鹿肉に対する従来のイメージではなく、フレンチ伝統のジビエ料理を充分に味わうことができます。

鹿肉料理ラビット
鹿肉ロースト
ジビエ料理鹿ラビットカレー
鹿カレー
ジビエ料理ラビット寒干し大根とメダリオン
寒干し大根とメダリヨン
じびえ料理ラビット鹿カレー
鹿カレー

料理写真提供 ジビエレストラン「ラビット」大町市中山高原(ラビット facebook   homepage)

ラビット全景
ラビット全景
大町市中山高原ラビット
中山高原から白馬を望む
大町市中山高原ラビット
ラビットのアイドル